HOME > セルフプロデュース講座 > 第1回:建築写真の撮り方編

住宅会社の為のセルフプロデュース講座

〜建築写真の撮り方編〜

 

第1回

住宅会社にとっての建築写真とは。
 
 

 
セルフプロデュースとは何か?簡単に表現すれば住宅会社自らがブランディングをし更には自らの力でプロモーションを行う事です。これは住宅会社や工務店が今後、生き残るために必要な技術だと言えます。
 
 
 
取り分け、住宅会社にとって「イベント情報」や「施工事例」や「お客様の声」は重要な役割を果たします。その為にも住宅会社では今後必ず施工した建築物の「建築写真」を残していかなければなりません。
 
 
「建築写真」は一般的に「竣工写真」とも言われてきました。従来、「竣工写真」は完成した建築物をお引渡し前に撮影しアルバムを作成し建築会社で大切に保管されてきました。
  
 
そんな竣工写真ですが、保管されているだけで全く活用されていないケースが殆どではないでしょうか。そこで引渡し前の「竣工写真」に捉われず、引き渡し後でも家具や生活雑貨、しいては人物を入れての撮影をする事で建築物本来の姿を撮影し、それをWEBサイトやSNSでリアルタイムに情報発信をしていく時代だと今は言えます。
 
そこで今回はなぜ住宅会社が建築写真を残していかないといけないのかをもう少し掘り下げてみます。下のグラフは野村総合研究所がリリースしている新築住宅着工戸数の年度別の推移です。
 
 

※野村総合研究所より引用

 
 
 
ここから分かるように、かつての様な100万戸を超える時代はもう来る事が無い様です。また、地域によっては空き家率が高く中古での買い替えやリノベーション需要増など、新築需要にとっては更に追い打ちをかけるようなデータもあります。
 
 
 
 

更に建築業界にとって致命的な数字をお見せします。
 
次のグラフは日本の企業における2016年までの休廃業・解散件数です。2016年の休廃業・解散件数は2万9,583件(前年比4.8%減)となりリーマン・ショック後の2009年以降は2万5,000件以上の高水準で推移している事が分かります。
  
 
また、2015年の企業倒産は25年ぶりに9,000件を下回った流れとは対照的に「後継者難」や「業績ジリ貧」などビジネスモデルの不透明感を払拭できず事業継続を断念する中小企業が依然として多い事が分かります。また、企業倒産の減少ぶりが際立つなか、休廃業・解散は高水準を持続し、2016年の年間の倒産件数8,446件の実に3.5倍にものぼっているのです。

  
 

※東京商工リサーチ調べ

 
  

そこで建築業界はどうでしょうか?2016年の休廃業・解散の産業別では、実に建設業は7,527件(構成比25.4%)で全体の4分の1を占めています。受注の先行懸念や人手不足、労務費などの高騰もあり、余裕のあるうちに事業継続を断念したケースが多いとみられています。
  
 
この事から、好景気であっても建築業界の淘汰は確実に起きているのが現実です。

 
   
 
 
  
そこで、これら現実に起きている住宅会社・工務店の問題点と原因は何かを考えてみましょう。結論から言えば、下の5つの問題点である 原因があると言えます。
  
 
原因❶
  • 入居後のお客様アンケートの不満項目の改善をしていない。お客様アンケートを実施していない建築会社もある。

 
 
原因

  • 事業計画目標が曖昧であり、目標が達成できていない。目標が数値化されていない。事業計画自体が全社員に浸透していない。

  
 
原因

  • 営業・設計・工事・サービス・経理の業務ルールが曖昧で、マニュアル化されていない。

  
 
原因

  • 粗利益の目標が明確でなく、コスト意識が全社員に浸透していない。原価・利益の意識が無い。

  
 
原因

  • WEB・広告宣伝手段が他人(外注)任せで、よく分からない、更新作業が出来ない、遅い、継続できない。

  
 
とりわけ原因➎は住宅会社・工務店の大小の規模に関わらず取り組めていない会社が多いのが現実です。逆にこれらの原因に対して積極的に人材を採用したり、人材育成に取り組んでいる住宅会社は受注が顕著に伸びている傾向があります。
 
 
 
 

現在、多くの住宅会社はこれらのブランディングやプロモーションは外部の広告会社やWEB制作会社などに頼りきりであるのが現実であると言えます。また、社内で行っていても兼任のスタッフが理解不足のままなんとなく自社で取り組んでいるなど、実際の集客効果には程遠い現状で運営されているケースも多く見受けられます。
  
 
 
この事は定期的な情報更新や即効性のある情報発信の妨げにもなりかねないので、住宅会社・工務店にとってはとてもリスクが高いと言えます。

  
 
そこで抜本的な解決策として住宅会社によるセルフプロデュース技術が必要になってくるのです。次の図は建築写真を活用した住宅会社でのセルフプロデュースにおける概念図です。
  
 

※建築写真の様々な活用事例

 
  
建築写真を撮影したら、WEBサイト上で施工事例やお客様の声として更新。更にSNSで投稿して「いいね」や「フォロワー」を集めたり宣伝などをする。WEB・SNSだけでなくフォトブックとして作品事例を残し、お施主様にプレゼントして、必ず1冊は社内で営業ツールとして活用する。などなど、建築写真で様々な集客ツールや営業ツールなどを自社で作成、運営する事で多くのメディアへの露出も期待が出来ます。
  
 
建築写真は住宅会社・工務店にとって最も重要な資産なのです。
 
資産は持っているだけでは増えません!活用してこそ次から次へと増えていくモノです。
 

そして、今のご時勢、皆さんが普段、お手持ちのスマートフォンでもコツさえつかめば十分に綺麗に撮る事が可能なのです。次回からは建築写真を上手く撮影するテクニックをお伝えします。
  
 

※超広角撮影

 
 

※外観撮影

 
 

※インテリア撮影

 
 

※建築写真撮影機材

 
 

 

 

建築写真家・工務店プロデューサー
田岡 信樹
アーキフォト 株式会社 代表取締役
一般社団法人 日本建築プロデュース協会 代表理事

芝浦工業大学工学部建築工学科卒。ミサワホーム株式会社に技術入社。その後、住宅・店舗建築の工務店で住宅建築プロデュース活動を開始。1999年に工務店による「建築家で建てる家」のプロデュース事業を開始。住宅建築業界での先駆けとなる。
 
その後、建築会社で営業部長、経営企画室長を歴任、集客プロモーション活動の上で「デジタル写真撮影」の活用方法と重要性を早くから実践し推奨する。2006年建築写真のデジタル撮影に特化したアーキフォトを創業、集客できる建築写真への造詣を深め、自ら写真家としてのスキルを磨き、200社を超える建築会社、建築関連会社から直接の撮影依頼をこなす等、年間の撮影件数は300件を超える。
  
2013年には建築プロデュース概念の確立と普及促進支援を目指して一般社団法人日本建築プロデュース協会を設立、代表理事に就任。各種セミナー、講座を通じて建築プロデューサー資格者等の人材育成に力を注いでいる。
 
また、自ら運営するFacebookページは現在、約66万いいね!数を誇り、Facebook日本人写真家ランキングでは全国1位のファン数を誇る。
  
2015年電子書籍による建築写真集「一生に一度は行きたい日本の名建築」シリーズを世界13ヶ国に同時リリース、日本の建築を海外にも広く紹介している。

友だち追加